出張講演 2023年

感染症から身を守る
‐インフルエンザ、コロナ、耐性菌について‐

(2023年12月15日 足立区伊興区民事務所)

井口腎泌尿器科亀有 院長
荒川 創一 先生

(講演要旨)

足立区伊興地区で活動頂いている町会役員、民生委員、学校校長、PTA役員等40名の参加のもと、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症及び薬剤耐性(AMR)について講演されました。今回の講演会は、新型コロナはすでに5類になっていますが、その教訓を生かす意味で、新たな感染症の危機に備えて企画されたとのことです。
インフルエンザについては、過去の感染の歴史、ワクチン、治療薬等について、新型コロナについては、疫学データやワクチンの効果等について、多くの情報を示しながらの、わかりやすいお話でした。また感染対策として、手洗い・マスク使用・ワクチン接種により予防に努めることの重要性が力説されていました。AMRについては、世界的に増加して注目されていること、問題となる細菌の種類、薬剤耐性機序等について、動画を使用して説明するなど工夫した資料での講演であり、出席者は最後まで熱心に聴講していました。


インフルエンザ・コロナ・ノロウィルス等の感染症予防及び蔓延防止

(2023年11月21日 神戸国際大学附属高等学校)

大阪ろうさい病院 感染症科部長(小児科第2部長兼務)
兵庫医科大学 臨床教育教授
川村 尚久 先生

(講演要旨)

神戸国際大学附属高校アスリートコースの生徒184名、教員約5名の参加のもと、インフルエンザやコロナ、ノロウィルス等の感染症について講演いただきました。人類と感染症の戦い・パンデミックの歴史を振り返り、封じ込めに成功したSARS等と違いコロナでは水際対策は成功しないこと、5類に分類された今も感染の危険は大きいことが説明されました。高校生の興味を引くスライドも多数ご用意いただき、投げかけられた質問に生徒が答えるとウイルスや菌のマスコットがいただけるなど、親しみやすい雰囲気で、生徒は講師の話に引き込まれていました。病院内で医療従事者でも感染が広まってしまうノロウイルスや、変異株や組み換えも起きるウイルス感染症は脅威であるため、今後も十分な知識を持ち、手洗い・マスク使用・ワクチン接種等により予防に努めることの重要性が力説され、生徒は最後まで集中して聴講していました。


高齢者施設における感染対策
~継続可能な方法で感染対策の質を上げよう!~

(2023年10月11日 医療法人社団青洲会デイサービスアズーラ)

大阪大学医学部附属病院 感染制御部
副部長 看護師長 感染管理認定看護師
太田 悦子 先生

(講演要旨)

医療法人社団青洲会デイサービスアズーラの介護士、訪問看護員、看護士計29名の参加のもとで「高齢者施設における感染対策」について約1時間の講演が行われました。高齢者施設の介護士の業務を想定した非常にわかりやすい感染対策に関する内容で、特に講演の中で見えない感染症を予防する対策として感染症の有無に関わらず行う予防策を徹底する、即ち手指衛生、防護用具の適切な使用など「標準予防策」が重要であるとの話が印象的でした。また、実際に手袋やエプロンの脱着の実技も取り入れるなど、日常の業務にもつながる内容であり、参加者からの質問も多く、施設の担当者からも大変感謝していただきました。


「幸せな未来へ
いのちの大切さ、生きるための心(性)、性感染症を学んで
自分の人生を大切に自分らしく生きていくために」

(2023年7月 神奈川県立津久井高等学校 定時制)

東京医療保健大学 医療保健学部 教授
住民とともに活動する保健師の会
渡會 睦子 先生

(講演要旨)

神奈川県立津久井高等学校定時制課程の生徒約20名、教員約10名の参加のもとで、思春期、性、命、ストレスへの対処、LGBTQさらに性感染症について講演を頂きました。前半は、生徒に質問を投げかけながら、「思春期の成熟は、命を生み出す体と心になる大切な時期」「心が不安定なのが思春期」「命はつながっている」「自分の人生を大切に 自分らしく生きていくために」などの話を、自分の経験も交えながら、具体的で分かりやすくお話いただきました。後半ではエイズ、クラミジア、梅毒を含む様々な性感染症の特徴や感染経路について、対応方法も含め教えていただきました。講師からの呼びかけに会場から応える場面も多く、今の自分を大切にすることが将来の自分も大切にすること、性感染症の予防には十分な知識の他、自分と人を大切に思う気持ちが大切であるというメッセージが参加者に強く届きました。
なお、本講演会は、テレビ神奈川による取材を受け、後日、ニュース番組の中で、講師へのインタビューとともに講演の様子が放映されました。


「感染症・食中毒の予防及び蔓延防止」

(2023年6月 三重県川越町社会福祉協議会)

医療法人尚徳会ヨナハ丘の上病院 小児科医長
松原 啓太 先生

(講演要旨)

三重県川越町社会福祉協議会の介護士、訪問看護員等、計37名の参加のもとで「感染症・食中毒の予防及び蔓延防止」及び施設からの追加リクエスト「疥癬の対応」に関して約1時間の講演が行われました。感染予防に関しては、新型コロナ感染症も含めて手指衛生の重要性、マスクの正しい着用での飛沫感染の防止効果について、また「食中毒とその対応」に関しては、ノロウイルス感染での対応について、分かりやすく説明されました。日常の業務にもつながる興味深い内容であり、職員の方は熱心に聴講していました。