出張講演 2019年

「身近な感染症、予防から治療まで -インフルエンザから自分を守ろう-」

(2019年12月、埼玉県)

埼玉医科大学感染症科・感染制御科 教授
前﨑 繁文 先生

講演風景
(講演風景)

(講演要旨)

  • 参加者:中学生 全学年生徒、教職員、PTA、約230名
  • インフルエンザは全身の感染症です。高齢者や重い病気をもっている人がかかると時に重症になることがあります。
  • インフルエンザになったら必ずマスクをして、ほかの人に感染させないようにしましょう。
  • 今では鼻水や喉の粘液を検査して、数十分で診断ができます。
  • A型、B型、まれにC型もある。B型は人だけに感染するが、A型は人間以外にも感染します。
  • 新型インフルエンザはA型のみです。直近の流行は2009年で、数十年に一度の間隔で新型インフルエンザが発生します。
  • はしか(麻疹)は一度感染すると記憶され(免疫)、一生に一回しか感染しません。
  • インフルエンザは毎年少しずつ変化するので、何回も感染します。毎年、予防接種をすることで免疫を付ける必要があります。
  • インフルエンザは飛沫感染として、咳やくしゃみなどから感染します。
  • インフルエンザの薬を飲めば熱が下がる時間が1~2日早くなります、今は1回投与の薬もあります。
  • 予防としてマスクをして、口や鼻の中の乾燥を防ぎ、こまめに手を洗うことが大切です。また、流行する前の11月終わりまでには予防接種を済ませましょう。
  • 一番大事なのは、毎日、睡眠、休養、栄養を取って体調を管理してください。

「食中毒とその感染予防対策について」

(2019年6月、神奈川県)

聖マリアンナ医科大学微生物学教室 教授
竹村 弘 先生

講演風景
(講演風景)

(講演要旨)

  • 食中毒の予防は、i) 生の肉を食べない、ii) 食品を加熱(75ºC、1分以上)調理する、iii) 手指衛生、調理環境の衛生を徹底する。
  • 食品を100ºC度に加熱しても細菌が作る毒素は無毒化しないものがあるし、ウエルシュ菌、セレウス菌などの芽胞をつくる細菌は死滅しないので注意が必要。
  • 肉を切った包丁で野菜は切らないように注意する。
  • 原因微生物によって潜伏期間が違い、数時間~1週間後に発症する。
  • トイレでスマホを操作する、用を足した後にトイレットペーパーの端を三角に折るなどは、菌がついているかもしれない手を使うので、要注意!
  • 病原体は熱に弱いので多くは加熱すれば殺菌されるが、キャンプ場のカレー等、一度に大量に調理して放置すると40~50ºCで保たれた状態が長く続き、ウエルシュ菌を増殖させる危険性が高い。家でのカレー、2日目など寝かせるとおいしいが、一度に大量に調理した場合は、食中毒予防のためには、すぐに冷ましてタッパーに入れ、冷蔵庫保存の方が良い。

「意外とちゃんと知らない身近にある感染症」

(2019年2月)

医療法人社団埴原会赤羽病院 非常勤
林 泉 先生

講演風景
(講演風景)